
会話の途中で、急に自慢話が始まったり、こちらの話を「でもさ」と上書きされたり。
SNSでも、比べるような言い方や、遠回しに見下すような投稿を見かけることがありますよね。
こういう場面に出会うと、「私が何か悪いこと言ったのかな?」と気になってしまう人も多いと思います。
でも、マウントって、実は相手の心の不安が関係していることが多いと言われているんですね。
この記事では、なぜ人はマウントを取りたがるのかを、できるだけやさしい言葉で整理します。
仕組みが少しわかるだけでも、必要以上に傷つかずにすむかもしれませんね。
マウントは「優位に立ちたい」より「不安を落ち着かせたい」ことが多いようです

マウント(mounting)は、会話やSNSなどで自分のほうが上だと示そうとする行為を指す言葉として使われています。
動物行動学の用語が元になっているとも言われますが、人間関係では「自慢」「比較」「相手の否定」などの形で表れやすいんですね。
そして「なぜ人はマウントを取りたがるのか?」という疑問の答えは、単に性格が悪いから…というより、
自分の不安や劣等感をやわらげるため、という見方が有力だとされています。
マウントが起きやすい心の動き

自分の価値がぐらつくと、比べて安心したくなる
自己肯定感が低いと、「このままの自分で大丈夫」と思いにくいことがありますよね。
そうすると、心のどこかで他人と比べて位置を確かめたくなることがあると言われています。
たとえば、相手が褒められている場面で落ち着かなくなって、つい「自分のほうがすごい話」を足してしまう。
これは相手を倒したいというより、自分を保つための行動になっていることもあるんですね。
「認めてほしい」が素直に言えず、遠回しになる
承認欲求は、誰にでもある自然な気持ちです。
ただ、それがうまく満たされない状態が続くと、素直に「見てほしい」「わかってほしい」と言いにくくなって、遠回しな自慢や相手を下げる言い方になってしまうことがある、と分析されています。
たとえば「別に大したことないんだけど、また表彰されちゃって」みたいな言い方ですね。
言葉としては控えめでも、実際は「すごいでしょ?」が隠れていること、ありますよね。
羨ましさを認められないと、相手を下げてしまうことがある
人の成功を見たときに、少し羨ましくなるのは自然なことです。
でも、その羨ましさを「羨ましい」と認めるのがつらいと、心は別の形で守ろうとすることがあると言われています。
その結果、相手の価値を下げることで、自分の痛みを小さくしようとしてしまう。
「それって運が良かっただけじゃない?」のような一言が出るのは、もしかしたらその流れかもしれませんね。
「負けたくない」が強いほど、会話が勝負になりやすい
負けず嫌いで競争心が強い人ほど、会話が「情報交換」ではなく「勝負」になりやすいことがあります。
すると、相手の話を受け取る前に、すぐに「自分はもっと上」を出したくなるんですね。
本人に悪気がない場合もあります。
ただ、受け手としては疲れてしまいますよね。わかりますよね。
空気を読むのが苦手で、結果的にマウントに見えることも
一部の記事では、ADHD/ASD傾向などで「場の流れを読むのが難しい」場合、
本人は通常の報告のつもりでも、周囲には自慢やマウントに見えることがある、といった指摘もあります。
もちろん、決めつけはできません。
ただ、「意地悪」だけが理由とは限らない、と知っておくと少し心が楽になるかもしれませんね。
劣等感を優越感で覆う「心の守り」の形
心理学では、防衛機制(心が自分を守るはたらき)の一つとして、劣等感を反対の態度で隠すような動きが語られることがあります。
フロイトの「反動形成」に近い、と説明されることもあるんですね。
つまり内側では不安なのに、外側では強く見せる。
その結果として、優位を示す言動が出やすくなる、という理解です。
よくあるマウントの場面(3つ以上)

職場:褒められた人に「でもさ」と被せてしまう
たとえば同僚のAさんが褒められたとき、Bさんがすぐに「でもそれって〇〇が手伝ったからでしょ」と言ってしまう。
これはAさんの評価を下げることで、Bさんが自分の立ち位置を守ろうとしている形かもしれませんね。
言われた側はモヤモヤしますが、あなたの価値が下がったわけではないんですね。
SNS:幸せ報告が「比較の材料」になってしまう
SNSは、どうしても他人の良い部分が目に入りやすいですよね。
すると「置いていかれた感じ」が刺激されて、誰かの投稿に対して皮肉っぽい反応をしたり、自分のほうが上を示したくなったりすることがあると言われています。
オンラインだと表情が見えないぶん、言葉が強くなりやすいのも難しいところです。
友人関係:「あなたの話」を「私の話」にすり替える
こちらが「最近しんどくて」と話したら、「私なんてもっと大変だったよ」と返ってくる。
これもよくある形ですよね。
共感のつもりで言っている場合もありますが、繰り返されると「結局いつも競争になる」と感じてしまいます。
相手が不安を抱えていて、優位でいたいのかもしれない、と見ると少し整理しやすいです。
恋愛・家庭:「常識」を盾にして上に立つ
パートナーや家族に対して、「普通はこうするよね」「それくらいできて当たり前」と言ってしまう場面も、マウントの一種として語られることがあります。
相手をコントロールしたい気持ちの裏に、自分が不安で揺れていることが隠れているケースもあるようです。
まとめ:マウントは相手の問題で、あなたの価値とは別の話なんですね

なぜ人はマウントを取りたがるのか。
それは「勝ちたい」だけでなく、自己肯定感の揺らぎや承認欲求、羨望や劣等感といった、内側の不安を落ち着かせるためだと考えられています。
もちろん、すべてのケースが同じではありません。
ただ、覚えておきたいのは、マウントを取られたときにあなたが悪いと決まったわけではない、ということです。
もし巻き込まれそうになったら、真正面から勝負しないで、距離を取ったり、受け流したりするのも一つの手ですよね。
私たちも一緒に、「比べ合い」ではなく「落ち着ける関係」を増やしていけたらいいですね。